目指すワイン
ワインというものに決まった味はない。化学的にも毎年全く同じワインは作れない。評論家は経済的価値や名声は高めても、ワイン自体の価値を高めることはできない。
ワインは、人との思い出を彩るもの、人生の時間を味わうためのもの。生まれ育った土地を深く知る方法。過去の時間を蘇らせてくれるもの。感性を高め、作り手も、飲む人も思想家になることのできる手段でもある。
私について
私はイタリアで12年間を過ごし、イタリアで修行して、現地に溶け込んで、当たり前だけど大事なことを学びました。それは、人も地方も、その特色は全て違う。
どんなに地味でも、当たり前でも、少し変でも、それを愛して信じること、人と交流を惜しまず、堂々と伝えること。恥をかいても、評価されても、価値は変わらず。
真似はしない。評価を取りにいかない。他人のものを借りて自分を飾り見栄を張るくらいなら、地味に堂々と生きる。ものづくりの根幹にある考えは、イタリアにありました。そしてそれは、元々自分が心の奥にいつの間にか押し込めていた考えでした。